草木から始まる手仕事。

明け方の光の中、生麩(しょうふ)で糊付けをしたリネンの糸
12月の展示とWSに向けて。

日が昇り、寝室に繋がるベランダの窓を開け、糸を干すと、
起きたての娘が布団を被り、「寒い〜。」と言う。
空気が、秋に変わりました。

布団から顔を覗かせて、
色とりどりの糸を見ながら、
「これ、何で染めたの?」と聞く娘。

今回の糸は、糸屋さんが染め粉で染めてくれた糸なんだよ。
と説明すると、

「黄色は、黄色くなった葉っぱでしょ。
赤は、赤くなった葉っぱでしょ。
紫は、この前どんぐりの実を割ったら
中から出てきた色とおんなじだ。
きっと、どんぐりで染めたんだね。」

庭から持ってきた草木を台所で染める作業を
いつも見てきた娘には、
色は全て草木のイメージと繋がっているようです。

化学染の色も、本来は、植物からの色を模倣した結果。
季節を逃すと出ない美しい色を安定して得られるようにと、
人々が知恵を絞って生み出してきた色。
化学染の色に触れるときにも、
植物に憧れた初めの気持ちを、
忘れないように関わりたいと思うのでした。

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今年の夏は、庭で育てていた藍で染める時間を取れず、
種を育てることにした、可憐な白い花。

小さな場所、限られた時間の中で
できることは少ないけれど、
来年は、藍の色を、娘と一緒に染めたいな。


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庭のフラックスの芽も、すくすくと育ち始めています。
小さな恵の数々に、
手仕事に繋がる喜びを噛みしめる日々です。




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